こんにちは。石本です。
いつもご覧いただきありがとうございます。
今日は愛媛FC vs 栃木SCの試合をみていきたいと思います。残留争いの中息もつけない試合になった。
ということで今日は
【ボールを持ちたい愛媛かボールを持たせない栃木か】
ということで見ていきたいと思います。
結論 4局面を重視しない戦い
入場者数 1770人
フォーメーション 1-3-5-2(愛媛)1-4-4-2(栃木)
試合結果 愛媛FC 0-1 栃木SC
得点者
9分 畑 潤基
1.馴染む前に来てしまったチャンス
序盤戦、いつも通り、ロングボール中心のセカンドボール拾い合戦。
ラインを高くすることには勇気がいったが、選手たちはよくやってくれた。
と田坂監督。中3日での疲労がある中でのチャレンジは勇気が必要だった。ライン設定の構築から序盤戦、愛媛が藤本の抜け出しからGKと1vs1の場面を演出。
思いの外、チャンスが来てしまったというのが本音だろうか。ただ、GKオビの好セーブにより得点には至らず。
逆に栃木にも、ロングスローからラッキーな展開に。ロングスローの競り合いからボールの軌道が変わり、栗山の腕に触れ、その背後にいた栃木選手のプレーするであろうコースに関与してしまうことによりペナルティーキックとなる。
改善策はあるのか。次に同じような現象があれば、どのように対策しようとするか。そこに答えは隠されている。
思わぬ形でそれぞれのチームにチャンスが舞い込むが、ものにしたのは栃木だった。
ロングスローからの動画はこちら
2.攻撃的な守備における、リスク回避のビルドアップ
飲水タイムくらいまで落ち着くようで落ち着かないリスク回避の攻防。徐々に見え始めた、ビルドアップとプレッシング。
【愛媛ビルドアップ時】
3バックで2トップに対して、ビルドアップしようとする愛媛に対して、4-3-3(4-2-3-1)という形に守備可変し、ミラーゲームに持ち込む栃木。
ウイングバックに対してサイドバックが引き出され、そこにできたチャンネル(サイドバックとセンターバックの間)やニアゾーン(ペナルティエリアのサイド側)はボランチがカバーに入る。
ファウル数(愛媛15、栃木21)を見ても分かるように、栃木はファウルギリギリの強度で奪いかかる。その結果対応が遅れた場合はファウルになっても止めるくらいのプレッシングでボールを奪いにかかる。
そのプレス回避しようとワンタッチで背後を狙う愛媛だが、栃木からすればそこも想定内に見えた。
一方、栃木のビルドアップはとてもシンプル。FWの豊田をターゲットにし、これでもかというほどロングボールを配球。
アトレティコマドリー、シメオネ監督の「ポゼッションなんてくそくらえ」というような哲学に重なる。
ただ、極端に失点が少ないかと言えばそうでもなく、そこがサッカーの難しいところ。ゴール前に対して人数をかけてバス止めを行うが、鉄壁なのか、隙があるのか、打たれるシュート数を減らしたい気はする。
3.残り15分の特殊攻撃パワープレーとしてのセンターバック
残り15分になると、4つの局面を重要視しない、パワープレーや守り固め、選手のメンタリティーとバイタリティ、声かけ(ポジティブかネガティブか)などがチーム状況を物語る。
唐山の裏抜けのシーンはGKのオビを褒めるしかない。唐山にはあそこを決めきる力を身につけ、飛躍してほしいところ。オビは相手に対して正対し、ゴールの真ん中に立ち、ポジショニングもすばらしい。手を下に構えているところからすると、下のボールの対応を予測していたか、さらに近づいてきた時にブロッキングにいける準備でもあるだろう。
隙があるとしたら、上の両端に強いシュートでなければ決まらないシーンでもある。
1点リードされた愛媛が残り時間で行った特殊攻撃のパワープレー。栗山が前線に残り、池田がアディショナルタイムに出場。
先ほどの唐山や栗山の裏への抜け出しは、前からプレスをかけ、ラインを高く押し上げたウィークにもなるべく背後のスペース。栗山のここしかないタイミングでフィニッシュに持ち込むも、これもまたオビのポジショニングがよかったか、枠内を狙うのが難しいシーン。
コーナーキックではよく見かけるシーンではあるが、GK岡本のボックス内侵入。
是が非でも、得点をもぎ取りたい
今回のパワープレーもとても迫力があり、それに対しての栃木のバス止め守備も見ごたえがあった。一瞬の隙をついて唐山の枠外シュートもあったが、今回の悔しさが、次回の得点を生むはず。
時間帯における分析は監督となったつもりで試合をみると次の一手がどうくるか楽しみになる。ぜひ、そのような観方も身につけるのもいいだろう。
まとめ
ということで今日は
【ボールを持ちたい愛媛かボールを持たせない栃木か】
ということで見ていきました。
結論 4局面を重視しない戦い
内容は
1.馴染む前に来てしまったチャンス → 思いの外のチャンス
2.攻撃的な守備における、リスク回避のビルドアップ → 蹴らされ、セカンド合戦
3.残り15分の特殊攻撃パワープレーとしてのセンターバック → パワープレーの構築が鍵
(愛媛 實好監督コメント)
みんなタフに熱い思いをもってやってくれた。僕以外は冷静な頭を持って戦ってくれたと思う。
相手のスタイルも把握して、しっかりはじくところ、セカンドボールを拾うところも含め、みんな良く対応してくれていた。マイボールの(ときの)相手のプレッシャーに対してでも、裏返すプレーも準備していたことをやってくれていた。裏を取る作業も多く見られた。負けたけど、いろんな良いプレーを出せたゲームだったと思う。
チャンスがあっただけに、後は得点が・・・という想いだが、チームの得点源の藤本、川村、吉田ではなく、新たに唐山、パワープレーの栗山、池田というバリエーションを持ちたかったところ。選手の気持ちが全面に出ていて、結果を届けてあげたいと思わせるプレーが多く出た試合であった。
(栃木 田坂監督)
内容はうまくいった点といかなかった点があるのですが、今日良かったのは選手たちが恐れずに勇気を持ってコンパクトなサッカーができたことです。それが今日の勝因になっていると思います。われわれはこのハイプレッシャーの戦い方を昨年から積み上げてきたので、一気に変えることは考えていないです。このサッカーを信じて、もう1回、オプションを持つことも含めて、今後も栃木のサッカーを貫いていきたいと思っています。
チームとして、監督として哲学をぶれずに持つ姿勢が伝わる。ファウル覚悟の球際の厳しさに何か怖さが加われば、進化しそうな雰囲気を感じる。それは何か、田坂サッカーの進化に期待したい。
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