こんにちは。石本です。
いつもご覧いただきありがとうございます。
今日は京都サンガFC vs 愛媛FCの試合をみていきたいと思います。上位争いをしている京都に対して、勢いを上げつつも結果で勢いに乗りたい愛媛。同じフォーメーションの中、京都のバリエーションの豊富さが目立つが、隙をついた川村のゴールや自信を取り戻した藤本の得点にもあり、ただではやられない。
今回は京都のバイスのゴール
【オーバーラッピングセンターバック】
についてみていきたいと思います。
入場者数 リモートマッチ
フォーメーション 1-4-3-3(京都)1-4-3-3(愛媛)
試合結果 京都サンガFC 3-2 愛媛FC
得点者
5分 宮吉 拓実
40分 松田 天馬
45+3分 川村 拓夢
76分 ヨルディ バイス
79分 藤本 佳希
1.全体の押上
京都のセンターバックのバイスが得点を決めたシーンですが、セットプレーやインターセプト(パスカット)からの攻め上がりではなく、ビルドアップからの攻め上がりでした。
サイドにボールを配球し、愛媛のラインが全体的に下がり、バイスの元へパスが来た時でした。
ワンタッチダイレクトパスで前線の選手にパスを送り、自ら前線に攻め上がります。
センターバックが上がってしまってはカウンター食らってしまうとあぶないのでは?と思ってしまいます。次のそのあたりをみていきたいと思います。
2.リスクマネジメント
バイスが上がったことにより、守備の人数が少なくなりカウンターを受けてしまうととても危険です。そのあたりも対策をみていきたいと思います。
バイスが攻め上がることにより、アンカーの三沢がセンターバックの位置へ。
次にアンカーのスペースが空いてしまったところをインサイドハーフの武田が埋めるようになっています。
そのあたりの規律があるからこそ、バイスが攻め上がることができるのですね。
動画はこちら(リスクマネジメントのところは見えません・・・)
前回予測していたウタカを気にしすぎて、他のところが空いてしまうということが起きてしまいましたが、愛媛も2得点取り返したとこともありただでは負けず、しっかりと次につなげています。
他に、センターバックが攻め上がる時ってどんな時があるの?
質問に答えたいと思います。他にもセンターバックが上がっていくことがあります。その前にセンターバックが攻め上がるメリットは下記の通り
・体が強くポストプレーや、ターンシュートなどシュートに持ち込める
・誰がマークにつくのか困る(受け渡しの場合、ミスマッチになる可能性がある)
・パワフルな選手が多く、シュート力がある
・ボールを失った後、戻る距離が遠くなりスタミナを使ってしまう
・テクニックがなければ、逆にボールを失うことになる
・周りの連動やサポートがなければ孤立しやすい
・攻撃パターンが単調になりやすい
ということもあります。
他の攻め上がるときというのは
・パワープレー
・センターバックのインターセプト(パスカット)から攻め上がる
・リベロ(自由)として自由に攻撃参加
フットサルなどでは、フィールドプレーヤーが4人なので、ダイヤモンド(1-2-1や3-1)の形で後ろの真ん中の選手を「フィクソ」(ポルトガル語で固定するという意味)といい、その選手がFW(フットサルではピヴォ)が動いて空いたスペースに上がっていくということはスタンダードである。
そういう意味では、ウタカが動いて空いたスペースを2点目のようにウイングやインサイドハーフが入ってきたり、バイスが入っていったりと出入りを繰り返すローテーションが行われていた。
ターゲットとなるウタカは動き過ぎず、一度動いたらそこについてきたDFによってできたスペースを使うということがうまくはまっていたようにみえた。
3.全体での得点
次に愛媛の得点です。
1点目は全体でボールを動かしながら、京都クリアを左サイドで森谷がボールを保持したシーン。前野がサポートに上がることで、京都の守備も出て来ましたね。その時に守備ライン間が空いたこと、森谷に対してのアプローチの距離もあったことから川村へのパスコースが空きました。
ライン間にパスを差し込み、うまく合わせることに成功しましたね。
2点目はフリーキックからのセカンドボールを藤本がダイビングヘッド。マンツーマンディフェンスではなく、ゾーンディフェンスの京都。ラインコントロールにミスがありましたね。
マンツーマンとゾーンの違いっていまいちわからないんだけど・・・
マンツーマンは人につく守備で、ゾーンはスペースを埋めて、入ってきたボールに対し相手選手に近い選手が対応をするというもの。
脅威となる相手にはマンツ―でつき、危険なスペースだけゾーンにするというミックスが一般的。
さらにトランスフォームという守備もある。ゾーンでポジションをとるが、相手の攻撃の脅威となるところの対策として、マンツ―に変形するという駆け引きする守り方もある。
おそらく、オフサイドになったのではというシーンですが、バイスだけ先にラインダウンをしてしまいました。バイスが残っていたために、愛媛に優位性が生まれ、西岡が競り勝ち、藤本がセカンドボールをゴールすることができましたね。
ボールを蹴る前にラインを下げるのが、一般的ですが、どこまで下げるのかが難しいところですね。愛媛の選手はラインが下がるだろうと最初からオフサイドのポジションにいました。
ナイス駆け引きですね。
まとめ
今回は京都のバイスのゴール
【オーバーラッピングセンターバック】
についてみていきました。
内容は
1.全体の押上 → センターバックからの攻め上がりの距離を短くしよりゴールへ近づく
2.リスクマネジメント → アンカーとインサイドハーフのカバーによりリスクマネジメント
3.全体での得点 → 孤立しない、全体がかかわるからこそ生まれた得点
曺 貴裁監督コメント
良い悪いではなく、今日は半分で誰か1人を交代するというゲームプランを作っていました。最初の交代で(福岡)慎平を代え、次に(川﨑)颯太を代えましたけど、彼らも試合に出続ける中でメンタルとか頭の中の疲労が見えるときは、やはりフレッシュにさせなきゃいけないと思っています。選手全員で戦っている中での交代の1つだったということです。
連戦プランも必要になってきますね。前半と後半で選手を意図的に交代させるのも1つですね。
實好 礼忠監督コメント
京都の切り替えの速さは把握していた。ただ自分たちも単純にその場から逃げるようなプレーはせず、しっかり外していくためのポジショニングやプレーに関わる姿勢は出していた。あと、カウンターのときは2トップに当ててチャレンジする姿勢も見せた。そこは今後も継続していきたい。
自分たちの感情のコントロールもお互いが鼓舞しながらやれていた。そのぶん、メンタルの強さではね返せたところはあったと思う。
動じないメンタルが、選手の自信を生み、得点を重ねるためには必要ですね。
上位の京都に対しても堂々と勝負したことで、成果と課題をみることができた。次節の磐田戦に期待したいと思う。
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